星新一 「竹取物語」 

今日、電車に乗っている間に星新一が現代語訳した「竹取物語」を読み終えました。

竹取物語 (角川文庫)竹取物語 (角川文庫)
(2008/07/25)
星 新一

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星さんの訳はすっきりしていてわかりやすい。まあ・・・多分この本の訳を古典の授業の現代語訳として使うのはそぐわないと思います。原文を全て訳しているわけでないので。

学生時代の古典の授業で竹取物語を勉強したのですが、原文を現代語訳したら情報量が多くてよくわからなかったので、星さんの重要な部分だけかいつまんで現代語にした竹取物語はすっきり頭に入ってきたのかもしれません。

読んでみて思ったのは、かぐや姫が想像以上に小悪魔だったということ。
5人の求婚者に現実にはありえないものを持って来れば結婚すると無理難題を出す話ではわがまま小悪魔な女性だと感じました。

つばめの子安貝を求められた中納言石上麻呂は死んでしまい、さすがにかぐや姫も同情します。それも少しだけ。
所々に入る星さんの解説には冷血な女だとか悪女だとか書かれていました。

けれども月に帰る辺りの話では、かぐや姫は上品だと書かれていましたし、育ての親であるおじいさんとおばあさんを気遣う所もあったので、一概に凄い悪女とも言い切れないです。
上品且つ小悪魔。二面性のある女性だったのかも。

それから、かぐや姫ばかりが悪いという訳でも無いように感じる所もあるんです。
かぐや姫は本当に結婚したくなくてありえない無理難題を出し、半ば結婚したくない意思を表明したも同然なのですが、求婚者はあきらめないのですよ。かぐや姫の心を動かそうとします。
時代が時代で男女は必ず結婚する時代。おじいさんもかぐや姫に無理やり結婚を勧めて、かぐや姫は「何で結婚しないといけないの?」という疑問で返答しています。一生未婚でも大丈夫な現代ならかぐや姫も生きやすいのではないでしょうか。

かぐや姫ってつくづく不思議な存在です。出生の竹の中からで数か月で大人の女性に育ってしまいます。
物語を読みながら思ったことは、かぐや姫含め物語に登場する天人は、宇宙人ではないかということ。
帝と会う話では瞬間移動みたいな力を発揮していますし、かぐや姫を迎えに来た人(天人)は空中に浮いているし。彼らは人間達の動きを止めたり家の窓を手も触れずにあけたりする謎の力があるようです。
天人凄いです。
そもそも天からやってきた存在であり、謎の能力とテクノロジーを持っているという辺りが宇宙人ではないかという疑惑を匂わせます。

そんな天人の方々によると、地球は汚らわしい所らしいです。かぐや姫は罪を犯したことで汚らわしい地球に送られた。そんな汚らわしい地球で姫も苦しんだから、罪も清算されて月に帰っても良くなったとのこと。
地球って汚らわしい所だったのですか・・・。知らなかった。

月の彼方にいる天人は皆が美しく、年も足らない。心悩ますこともないらしく、時間の感覚も地球人とは違う。月は美しいですから、そこに住む天人達も美しいのかもしれませんね。
5人の求婚者の話でやたらおじいさんがかぐや姫のことを、ちょっと変わっているといっていたのですが、その原因は姫が月出身だからなのではないでしょうか。

「竹取物語」は日本で最古の物語。今も様々な設定の漫画や小説が存在しますが、古典文学も結構斬新な設定ですよねえ。竹取物語はSFのテーマの元祖とも本書の解説に書かれていますが、そういった少し不思議な物語だからこそ何千年も飽きられずに語り継がれている要因なのかもしれません。

名字が「星」のSF作家・星新一が「月」がテーマのSF古典文学・竹取物語を現代語訳するのも何かの縁でしょうか。
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