「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」 

「ヘンリー・ダーガー 非現実の王国で」

ヘンリー・ダーガー 非現実の王国でヘンリー・ダーガー 非現実の王国で
(2000/05)
ジョン・M. マグレガー

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文章も書かれていますが、絵の方が分量としては多いです。ちなみに絵はフルカラーでございます。

ヘンリー・ダーガーが生涯を掛けて創り出した物語と絵は今でこそ評価されていますが、別に芸術家という訳ではありません。こじんまりとしたアパートに住み、清掃員などの仕事をしていた一般人です。

彼が60年位書き続けていた「非現実の王国で」という物語は、外部に向けて出版したのでも、人に見せることを意識して作られた物でもなく、完全にヘンリー・ダーガーがひっそりと書き溜めていた空想の世界でした。
実際彼の死後に芸術家でもあったアパートの大家が、部屋からその膨大な物語を見つけなければ日の目を見ることも無かったと言います。

「非現実の王国で」は前から知っていたので、一度この本を読んでみたかったんです。

インターネットで検索すれば出てくるシーンを始め、あまり知られていない場面もしっかり掲載されていました。ただ、虐殺の場面など思ったより痛々しい絵もあり、それは驚きでした。そういうシーンもあるとは知らなかったため。

自分で絵を描くのみではなく、雑誌の切り抜きからのトレースやコラージュも交えながら物語の挿絵を作っていたのが驚きでした。
登場する女の子達・・・ヴィヴィアンガールズの着ている服がなかなかおしゃれなのも、雑誌を参考にしていたからなのかもしれません。

ヘンリー・ダーガーの死ぬ時まで住んでいたアパートの一室の写真も本の中で紹介されていました。
物語を作るための雑誌の切り抜きやこれまで書いてきた物語の書類、画材等が置かれている部屋。
ヘンリー・ダーガー 部屋 とかで検索すると画像が出てきますが、とても綺麗に、整頓されているわけではありません。どちらかというとぐちゃぐちゃ。
その様子を見て、何だか子どもの頃に憧れた秘密基地を見つけた様なわくわく感を私は感じてしまいました。
自分だけの空想の世界を作り出せる、自分だけの自由な世界。誰にも邪魔されないヘンリー・ダーガーの持つ空想の世界の一部でもあるアパートの小さな部屋。
ちょっとだけ、憧れてしまう。

今って、ネットで個人が絵でも物語でも意見でも自由に発表できる時代ですが・・・仮に、ヘンリー・ダーガーがこの時代を生きていたら「非現実の王国で」を外の世界に発表したのでしょうか。
外に発表するか、そうせずにあくまでも自分だけの空想の世界にするのか。彼だったらどちらを取るのでしょうか。
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