「くくりゃんせ」 みもり 

最近買った漫画です。古本で購入したのですが、コミックス購入特典のポストカードが運良く同封されていて何だか嬉しかったです。

「くくりゃんせ」 みもり

くくりゃんせ (ゼロコミックス)くくりゃんせ (ゼロコミックス)
(2010/10/09)
みもり

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作者のみもりさんを知ったのは、以前雑誌で連載されていた「恋して☆トゥインクル」を読んだのがきっかけでした。
この「くくりゃんせ」は「恋して☆トゥインクル」より前に連載されていたものの様です。

この漫画は菊華様という綺麗な市松人形が登場します。人形が登場する漫画は「ローゼンメイデン」とか「観用少女」が思い出されますね。

主人公は中学生のシンという男の子。シンは1年前の自分の誕生日に家族を亡くしてから、心を閉ざし笑わなくなっていました。そんなシンを元気づけるために、友達の喜一とアイは、町に来ている話題の人形楽団「紅絲座」のステージを観に行こうと誘います。
生きている様に動く人形達。そして最後に目玉として登場するのが、世にも華麗ないちまさん・・・菊華でありました。
菊華が登場した途端、喜一始め観客の男達は菊華の虜になった様に、夢中になってしまうのですが、なぜかシンは無事でした。
紅絲座の団員の少年・キヌは菊華の虜にならないシンを見て、助けを求めてくる・・・。

この様な物語です。

菊華は、生きている人形。菊華は男だけを虜にしますが、その一方で人間の女は大嫌いとのことです。

菊華の「妾は至宝じゃ!」発言から、結構気品の高いイメージを持たされました。
自身を作った父様との過去が、現在の彼女の行動に深く結びついている様です。
女が嫌いな理由は、父様の実の娘に気味悪がられ、捨てられたから。父様もひどいですが、この娘もなかなか嫌なことをしていますね。

ゴミ捨て場で出会った兎の人形とともに、他の捨てられた人形を集め、人形楽団をつくった菊華。
人形楽団にいる人形達が、全て人間にかつて捨てられた過去を持つところは、何とも心が傷みます。
ゴミ捨て場で菊華と兎の人形が一緒に雨宿りをしながら、「昔デパートの屋上で子供たちと一緒にいて楽しかったなあ・・・」とか過去のことを話していて、物凄く悲しくなりました。

菊華は人間を恨んでいるんですが、その内面には、人間が好きだったけれども愛されなくて、寂しいという感情も持っていて、終盤で泣き崩れる場面がとても印象的です。

菊華は男を魅了しますが、それは大事な人がいる程強く作用してしまうとのこと。
喜一は彼女のアイのことが本当に大好きなんですが、その分菊華にメロメロになってしまいました。
話が進む中で、シンは自分の心がからっぽで、大事な人がいないから、自分だけ菊華の虜にならなかったことに気づいてしまいます。周りには、喜一やアイ、おばあちゃんだったり、シンを想っている人がいるんですけれども、心を閉ざした故に気づけなかったシン。
菊華との一件が終わった後、シンが涙を流し、笑ったというのは、彼の心がようやく解放されたというのを表わしているだろうと思います。

菊華とシンが中心な物語ですが、物語の雰囲気と、他の登場人物も良い味が出ています。

紅絲座の雰囲気を見て思い出したのは、見世物小屋とか、少女椿とか、大正時代の浅草の街とか。
いまいち時代がつかめないのですが、シン達は普通にジャージを着ているので現代に近いのだとは思います。

アイちゃんは意外に強い子で驚きました。喜一にパンチ噛ましていたり。ドラえもんのしずかちゃんに少し似ている気がします。
あと、紅絲座の座長・織彦。キヌがドン引きする位菊華様に夢中で、ハアハア言っているのが変態度をさらに上げています。作者のみもりさんも彼は変態キャラでつくったようです。(巻末のキャラ設定より)
特徴的な喋り方の兎も、ナイフ投げの名手?なキヌも面白かった!ところどころで笑いも詰め込まれています。

笑いも、シリアスもある物語。
菊華と兎以外にも子供に壊されたぬいぐるみや人形が登場してくるんですが、ああ、物を大切にしないとな・・・と思わず感じさせられました。

菊華は恐ろしい部分もありますが、大人っぽいと思えば子供の様な面もあり、笑ったり、泣いたり、可愛いところもあって魅了の力がなくとも虜になってしまいたい位です。
なお、着物の柄はトーンを使わずみもりさんが手書きで描いているとのこと。とても繊細な柄で、大変だったそうですが、その分とても画面が華やかです。

かつて遊んだぬいぐるみや人形や、その他大切にしていたもの達。
この物語を読んで、彼らのことを思い出しました。
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