「魔女の心臓」1巻 matoba 

この漫画を知ったのは、アニメイト池袋本店で開催されたガンガンONLINE 5th Anniversary EXPO。
「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」のもこっちを目的に行ったのですが、「魔女の心臓」も同じガンガン連載ということで、色紙や生原稿が飾られていて、それを見て気になり始め、結果漫画を読むところまで行きつきました。
喪女のもこっち目的で行ったイベントで、魔女の心臓に出会う。喪女やら魔女やら、なんやらややこしい。

現在も「ワタモテ」同様、ガンガンオンラインで「魔女の心臓」は連載中です。
http://www.ganganonline.com/comic/witch/

現在3巻まで発売されています。

「魔女の心臓」1巻 matoba

魔女の心臓(1) (ガンガンコミックスONLINE)魔女の心臓(1) (ガンガンコミックスONLINE)
(2012/10/22)
matoba

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主人公は500年もの年月を生きる、見た目は少女の“不死の魔女”ミカ。ミカは不死の原因でもある自分の心臓を奪った双子の妹・ニナを探して、使い魔の喋るランタン・ルミエールと死を求める旅を続けている・・・。

おおかたのあらすじはこの様な感じです。
ミカとルミエールの旅の物語で、大抵は1話完結。

どこが舞台なのかも、いつの時代の物語なのかもわかりません。“魔女”“喋るランタン”“竜”・・・そんな不思議な者が存在するのだから、ファンタジーが入り混じった世界だとは思います。

この物語を読んで思い出したのは時雨沢恵一の「キノの旅」。

キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))キノの旅―The beautiful world (電撃文庫 (0461))
(2000/07)
時雨沢 恵一

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キノと喋るモトラド・エルメスの旅の物語ですが、童話的なところや、大体1話完結で色々な国や街を巡るところが似ていると感じました。あとは、エルメスもルミエールも喋る無機物というところが共通点ですね。

この「魔女の心臓」と同時期に購入した「棺担ぎのクロ」という漫画も旅がテーマでした。

棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (1) (まんがタイムKRコミックス)棺担ぎのクロ。~懐中旅話~ (1) (まんがタイムKRコミックス)
(2006/03/27)
きゆづき さとこ

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主人公のクロは旅人で、彼女は自らに呪いをかけた魔女を探して旅をしています。その呪いというのが、おそらく最後は死に至る病の様なものなのですが、彼女の場合旅をしている間もそれがどんどん体を侵食しています。色々な意味があって、常に棺を担いでいる風変わりな旅人であるクロ。
旅をする理由や目的には違いはあるものの、「魔女の心臓」「棺担ぎのクロ」の旅物語には“死”というものが一つテーマとして共通しているのではないかとも思います。

・・・

1巻の中で印象的だったのは3話の「君想う謌(うた)」。

ミカとルミエールは、旅の途中で旅芸人の一座と出会うのですが、その一座の頭首のおばあさんは60年前ミカに会った人だったんです。お互いに旅をしているから、再会するのはとても珍しいこと。

ミカは姿は年をとらず変わらず。かつて歌い手だった少女は一座の頭首である老女になり、今は孫娘のサッシェがその役目を引き継いでいます。

不老不死は色々な作品のテーマとなっていますし、実際、物語にも、現実の世の中にもそれを追い求める人はいるのですが、果たしてそれは本当に良いことばかりでもなさそうです。

永遠に自分は変わらなくても、周りは変化して、いつかは死んでいくでしょう。不老不死であるがゆえに、かえって置いてきぼりになってしまうのはなんとも切ない。

“心臓を探す旅は 永遠の命の終わり 自らの死を求める旅”
“皆私を置いていく 私を覚えている人間が居なくなる それならいっその事 自分から離れる方がいい 始めから何も無かったのだと”
“永遠に生きるということは 永遠にどこにもないのと同じだ”

3話でのミカの言葉。不老不死の彼女ゆえの気持ち。人は死んでも、残された人の記憶の中に生き続けると言いますが、ではその残された人が死んでしまったら記憶の中に生き続けていた人も死んでしまうのでしょうか。

上のミカの言葉の続き。

“離れたい(忘れたい)と願っても どうか覚えていてと祈っても 人の想いは続く どんなに時間が過ぎても 共に過ごした時間は失われない”

これらの言葉はミカとルミエールがおばあさんとサッシェと別れる際のもの。
“昔々から人々が伝え紡ぐ想いのかたち 友との再会を願う謌 大切な人の無事を祈る謌”・・・孫娘のサッシェがミカとルミエールに対して“謌”を歌って見送り、この話は終わり。

確かに、昔から歌い継がれている歌や物語など、ある特定の誰々さんに・・・という形ではありませんが、それに込められた気持ちであったり想いは後世に伝わっていることにもなりますね。
昔々にあった誰かの想いが、時を越え、また誰かに歌として贈られて。何だか素敵ですね。

また60年後あたりに、おばあさんになったサッシェとミカが再開して、またこの時歌った歌がサッシェの孫から贈られるなんてことも、偶然起こったりするかもしれません。その時までに、ミカが旅を終えてしまっていたらあり得ない話ですが。

・・・

ミカとルミエールの長い長い、死を求める旅の物語。
人は、生まれたらいつか死にますから、ある意味皆死に向かっての旅を続けているのかもしれませんね。ミカの場合、不老不死だからその道のりが長くなってしまっているだけで、結局行きつくゴール(死)は皆と一緒なんだろうと思います。

この漫画を読んでいると、ああ、どこかに旅に行ってしまいたいなあと現実逃避の様に思ってしまうことがあります。
普段の生活から抜け出して、ふらっと行ってしまいたい時があるのですが、現実、なかなかそうはできない!
だから、今のところは「魔女の心臓」等を読んで、ミカやルミエールに自己投影させて旅を疑似体験して楽しんでいます。
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