「スミカスミレ」1巻 高梨みつば 

ネットで試し読みをして、気になって早速本屋で購入し読みました。
「スミカスミレ」1巻 高梨みつば の感想です。

スミカスミレ 1 (マーガレットコミックス)スミカスミレ 1 (マーガレットコミックス)
(2014/01/24)
高梨 みつば

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雑誌「Cocohana」で連載中。ママレード・ボーイの続編「ママレード・ボーイlittle」が掲載されている、雑誌でもあります。

〈あらすじ〉

主人公は60歳になる如月 澄。
祖母が体調を崩したことから、家業の花屋を手伝うため高校は中退。その後は両親の介護を担ってきました。

葬儀の後、猫が描かれた古い屏風を見つけるが、その際額で怪我をし、屏風を血で汚してしまう。
急いで血を拭き取ろうとしましたが、ふとみると血は跡かたもなく消えていました。

昔のアルバムを見て、高校時代のことを思い出す澄。
高校に入学し、良い成績を取って母に褒められたこと。友達と恋についておしゃべりしたこと。
本当に楽しかったあの日々。
しかしながら澄の祖母が体調を崩したことで、家業の花屋を手伝うこととなり、高校は中退しなくてはならなくなった。
澄は大変な後悔がありました。

そんな澄の前に、屏風に描かれた猫・黎(れい)が現れる。
黎は屏風に封印されており、それを解く鍵は処女の生き血の血判と願い事だという。
澄の「もっと勉強したかった もっと学校に通いたかった 本当は恋もしたかった 私は17歳になって青春を楽しんでみたい・・・!」という願いは黎により叶えられ・・・

澄は17歳に若返り、如月 すみれとして高校に通い青春を楽しむことに。
学校で、以前バスで助けてくれた男子高校生・真白と再開し・・・見た目は17歳、中身は還暦なすみれ(澄)の高校生活は一体どうなるのか?

〈感想〉

誰しも「あの時こうすれば良かった、こうしたかった」という後悔は持つものだろうと思います。人生には後悔は付き物。
主人公の澄さんの場合は、高校時代を中退したことで青春を楽しめなかったことが、年を経た現在でも心残りだったんですね。
今の時代は高校進学は当たり前、大学全入時代、なんて言われる位ですから、家業を手伝うために高校に通えないことは、あまりしっくりこないかもしれません。
私の父も母も澄さんと同じ位の年齢ですが、両親から家が貧しかったため大学に通わず高校入学後すぐ就職した、企業で働きながら短大に通い、資格を取った等の話を聞きました。
私は幸い、高校も大学も通うことができましたが、これって本当に幸せなことなのだなあと改めて感じさせられました。
とはいえ、昔も今もお金の問題や家庭の問題だったり、自分の進みたい方向に進めなかった等の理由で、進学や勉強をあきらめた方もいるはず。
澄さんの様な後悔を持つ方は、結構いるのではないかと思います。

過去にタイムスリップして、青春時代を思い出す話ではなく、現代の世界において自身が若返るという話はあまり聞いたことがありません。そう考えると、澄が若返って17歳のすみれとして青春時代を取り戻していく・・・という設定は斬新ではないでしょうか。

澄はすみれとして高校に入学する訳ですが、昔と今では高校の様子も、通う生徒達の雰囲気も違う。
親睦を深めるためにも、すみれはクラスのイベントであるカラオケに参加しますが、カラオケに行ったこともないためクラスのリーダー格の女子・亜梨紗のカラオケを止めてしまうという失敗をしてしまいます。
他にも、今の流行の曲を知らなかったり、今風のファッションでなかったりということがあり、すみれはやはり今時の高校生達に付いていけないことを感じる。
カラオケを途中で退席した後、すみれとして若返ったにもかかわらず、ガラスに映った自分の姿が60歳の澄に見えてしまったシーンがありますが、「見た目は若返れども、心は60歳」だと感じている澄の心情をまさしく表わした場面だったと思われます。
そうやって落ち込むすみれに対し、黎は
「60年間寝て過ごしてきたのか 60歳なら60らしく堂々と厚かましく生きてはどうだ」と励まします。そのおかげか少しずつ澄の心持も変化していった様で、1巻後半のすみれは図太く青春を楽しんでいます。

澄/すみれは実年齢は60歳ですが、とっても初心で乙女です。
クラスメイトの真白に優しくされると赤面症のすみれは顔がついつい赤くなります。

何だか、昔の少女漫画の雰囲気を連れて来た様な感じだなあと読みながら感じていました。真白君、上手くすみれの失敗をフォローしてくれたりと、優しいんです。一方で、黎は全く真白君とは別タイプで、丁寧口調ですみれの下僕となるものの結構偉そう。けれどもしっかりすみれをサポートしていて、下僕としての使命はしっかり果たしております。
この2人の存在が懐かしい少女漫画の雰囲気を醸し出す一要因になっているのかもしれない。
今の所、すみれは真白君に憧れているみたいですが・・・その内黎の方も好きになってしまうのではないかと予想。

一つ心配なのが、クラスメイトのリーダー格・亜梨紗達の存在。
後にすみれの友達第一号となる千明を気に入らないからと言っていじめ、不登校にさせた過去もあるので何をしてくるかわからない。
こちらも真白のことがお気に入りの様なので、すみれに対して何かしら仕掛けてくるだろうと思います。

不登校となった千明に、すみれが自分の後悔した話をして、学校をあきらめないことの大切さを伝えた場面では、心にじわりと来るものがありました。
時間は、残念ながらどんなに悔やんでも戻ってこない。だからこそ、大事に生きねばならないし、簡単に何かをあきらめてしまうことは大変もったいない。
人生は限りがあるんです。短いんです。今そこであきらめて後から「ああすれば良かった」何て後悔しても、時は無常に過ぎていって戻ってはこない。今はもう二度と来ない・・・今と言う時間を重みをもって過ごすことが、より良い人生を生きるヒントなのかもしれませんね。

若返った澄/すみれが一度はあきらめた人生を、再び歩き出す物語。
すみれには、存分に青春を味わってもらいたいものです。
これからどの様な展開が待っているのか、とても気になる漫画です。

Cocohanaの紹介ページで、第1話が試し読みできます。
http://cocohana.shueisha.co.jp/story/takanashi/sumi/index.html
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