『猫の事務所』 

今日はやらなくてはならない書類作りが大方終わりました。
昨日作っていた途中でパソコンがブルースクリーンになってとても慌てましたが、何とか出来上がってよかった。

先日感想を書いた、「金魚坂上ル」に出てくる宮沢賢治作品を青空文庫で読みました。

まず読んだのは、「猫の事務所」。

金魚坂上ルでは、とてもよく猫が出てきます。第1話で主人公のにしきが猫の遼太郎を探すというお話があり、その途中で自称きつねの兄妹の朱(あかい)とも出会います。

朱は遼太郎をみて「かま猫」と言うのですが、この「かま猫」というのは宮沢賢治の作品「猫の事務所」から引用された言葉の様です。

「かま猫」、あまり聞きなれない言葉ですね。
にしきも知らなかったようで朱ちゃんに聞いていました。
「猫の事務所」の中では、

“竃猫といふのは、これは生れ付きではありません。生れ付きは何猫でもいいのですが、夜かまどの中にはひつてねむる癖があるために、いつでもからだが煤すすできたなく、殊に鼻と耳にはまつくろにすみがついて、何だか狸たぬきのやうな猫のことを云いふのです。
ですからかま猫はほかの猫には嫌はれます。”

と書かれています。

ちなみに遼太郎は鼻と耳がすすけたような柄の猫でした。だからかま猫と呼ばれています。

猫の事務所と聞くと、ジブリの「猫の恩返し」がついつい思い出されます。そっちの元ネタだったりもするのかな?
話の内容は、少し悲しい話。かま猫は体が汚いために他の猫から嫌われていて、主人公のかま猫はおそらく数匹の選ばれし猫しか働けないであろう猫の事務所に勤めているのですが、事務所内では差別やいじめを受けています。

現代で言うパワーハラスメントや職場いじめに近い感じです。そのかま猫の性格に問題があるのではなく、元々かま猫だということでいじめは起きたようです。

話の最後では、獅子が登場することでなんと猫の事務所は解散させられてしまいます。
いじめを受けるかま猫を見た獅子が解散命令を出すんですね。意外な終わり方でした。

ちなみに・・・金魚坂上ルのかま猫・遼太郎はいじめを受けておりません。かま猫差別もされていません。

この「猫の事務所」は1926年に発表された作品です。いつの時代もいじめはあるのだと感じさせられました。
「猫の事務所」内でのいじめの仕方は結構現実味がありました。かま猫が病気で事務所の仕事を休んだ時に、他の猫が事務所のリーダーの黒猫に「かま猫は出かけた」だの嘘をついてかま猫を陥れるんです。

何だかこの辺りは、「金魚坂上ル」2巻で蒼馬のことが好きな女の子・カノがにしきの大事なことを書いたメモを盗んでピンチに陥らせたくだりに似ています。
メモが取られたために、にしきは友達のパンちゃん、スミちゃんの約束をすっぽかしてしまうんです。2人はにしきのことを教室で待っているんですが、そこにカノが現れてにしきは遊びに行ったと嘘を伝えるんです。
おかげでにしきは2人からの信用を失ってしまいます。
カノの手口と猫の事務所のいじめの手口はちょっと似ている気がしませんか?
たまたまかもしれないですが。
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