「現代魔女図鑑」1巻 伊咲ウタ 

「現代魔女図鑑」1巻 伊咲ウタ の感想です。
妖怪が出てくる漫画も好きですが、魔女が出てくる漫画も好きなんです。自室の本棚には魔女漫画コーナーがあります。
魔女と聞くとどうしてもファンタジーっぽいものを予想してしまいますが、「現代魔女図鑑」は極めて現代に近い日本が舞台。
魔女が現代にいたらどうなっているのかな・・・?といった想像が形になった様な漫画です。

「魔女図鑑」と耳にするとどうしてもまどか☆マギカの魔女図鑑を思い出させてしまうのですが、漫画はオムニバス形式で色々な魔女さんが登場します。

現代魔女図鑑 (1) (IDコミックス REXコミックス)現代魔女図鑑 (1) (IDコミックス REXコミックス)
(2014/06/27)
伊咲 ウタ

商品詳細を見る


〈あらすじ〉
人口の数%が魔女の力を持つ世界。地方都市の当摩市を舞台に、現代を生きる魔女達を描いたオムニバスストーリー。

〈各話あらすじ&感想〉
オムニバス形式なので、各話のあらすじと感想をまとめながら書いていきますよー。

・第1話「或る魔女の願い事」
優秀な魔女である姉マリと魔女の力を持たない普通の人間である妹・エリの三洲姉妹。エリはマリのことを良いお姉ちゃんだと思いながらも、ちょっと変わった性格を恥ずかしく思っていた。エリは自宅でクラスメイトのレイ君と勉強会を行うが・・・。

姉妹で魔女の力があったりなかったりすることもあるんですねえ。魔女のお姉ちゃんマリは弟子の身分であるものの優秀な魔女であり、美人で頭も良く、自信たっぷりと完璧超人。妹のエリはマリに比べて出来が悪くて、マリと自分を比べてしまう面もある・・・出来の良いきょうだいがいたら、へこみますよね。こんな姉ちゃんいたらへこむ自信あり!
それにしてもスマホで盗撮するレイ君、ちょっと危ない少年だな。将来が心配よ。
最後にマリからエリの出生の秘密が明かされますが、この世界の魔法は運命まで変えられるのかと思うと凄い。
願いを叶えるにはそれなりの代償が必要みたいですけれど・・・

・第2話、3話「或る魔女の人助け-1」「或る魔女の人助け-2」
2話合わせて1つの話になっています。
高校生の増田は男子ながら魔女の才能(ギフト)を持っている。幼い頃男なのに魔女の力を持つことをからかわれた経験があり、才能があることを隠して暮らしていた。増田はある時たった1人で魔女部活動を行う痛い魔女河野(こうの)と知り合い、不本意ながら魔女部活動を手伝うこととなる。

カバー下のあとがきにも書かれておりますが、この世界では男も女も関係なく「魔女」という呼称が使われるそうです。だから増田も魔女なのです。
廊下で占い等を行う魔女部の露店を開く河野は校内で痛い子扱い。魔法を使うには報酬が必要で、お金だったり寿命だったりするそうですが河野さんはどんな依頼も100円で引き受けてしまう。そのことを増田に指摘された時の河野さんの笑顔は切ないです。河野さん自身自分が痛いことを自覚しながらも、自分を必要とされることを報酬にどんな依頼も引き受けるという姿勢の様ですが、増田曰く「みじめ」。河野さんはいつも明るい感じだから余計そのみじめな感じが際立ってしまう気がします。
どうやらそれぞれの魔女によって得意分野不得意分野があるみたいですが、増田と河野は相性が良くお互いがお互いを補い合って本領を発揮するタイプだったということが判明して、2人はこれから魔女部として活動していくといった終わりを迎えました。人と言う字は支え合ってできているのだあ!(by金八先生)

・第4話「或る魔女のお守り」
美容師である奥野は、魔力が上手く制御できない少女・ミヨと飼い猫ジジと一緒に暮らしている。一見普通の親子にしか見えないが・・・。

ミヨは終始奥野のことを「パパ」と呼んでいるのでてっきり奥野の娘かと思いきや・・・奥様だったのですね。
奥野だけに奥様・・・いやなんでもない。
魔力が上手く制御できない体質が故に体が成長しない様ですがいわゆるロリババアジャンルに入るのかな?
不老不死であると言ったことは描かれていないので寿命はあるのかもしれませんね。2人の外見年齢が離れていくことで色々と葛藤も生まれることだろうと思います。
奥野は自分のことを「地味で冴えない」なんて言っていますが、幼い頃からミヨさん一筋で充分に男前ですよ。ミヨは体の成長が全部髪と爪に行ってしまうため、以上にそれらの伸びが早いのですが、奥野が美容師になったのもミヨの伸び続ける髪の毛をずっと切ってあげるためだったとしたら涙が出てきそう。

・第5話「或る魔女と花火」
内海朔は1年前に彼女であった園田しえるを亡くした。1年後、亡くなる直前一緒に花火大会を見た場所に行ってみると死んだはずの園田が現れて・・・。

亡くなって1年後の花火大会にて園田の死の真相が明かされますが、自分の死期を6歳で知ってしまうってどういう気分になるんでしょうねえ。園田は自分で自分の未来を占ってしまったのですが、知らない方が気軽に生きられたのかもしれない。
いや、死期を知ったからこそ内海のことを本気で好きになれたのか?

〈まとめての感想!〉
現代社会の中に魔女が生きていたらどんな感じなのかな?と思ったことがあります。
魔法を生業に生きる魔女達の姿が漫画の中では描かれておりますが、魔女だからと言って迫害を受けている訳でも無いし特別な国家権力を持っている訳でも無く、案外普通に日常の中に溶け込んでいるのに驚きました。
普通にスマホもネットもある世界の様なので、そういった科学的なものと一緒に魔法も存在する位の認識なのかもしれませんね。
図鑑とタイトルにある通り、色々な魔女が登場するので面白いです。魔女として大活躍している人もいれば、普通の一市民としてひっそり暮らしている人もいて、色々なタイプの魔女がいるものなんだなと思います。
2、3話の増田の様に魔女の才能を隠している人もいるのですから、生まれ持った魔女の力をどういった分野で生かし暮らしていくのかは、それぞれの魔女次第なんでしょうね。その辺りは、普通の人間と変わらないです。才能あっても生かし方が問題だと、開花しないと思います。

読んでいて思ったのは、魔女として生きるのも大変だなあと言うこと。魔法を使うのにもそれなりの報酬がありますし、魔法で何でもできる訳ではないし、魔女としてやりたいことやっても河野さんみたいに周囲から浮いて痛いなんて言われることもあるし、魔力のせいで成長できないこともあるし自分の未来だって知ることができてしまうし・・・これが異能の力を持ったが故の代償でしょうか。
他人と違うことは決して悪いことではありませんが、周囲と違うが故に葛藤も生みます。人口の数%が魔女と言うことですが、数的に見れば圧倒的に魔女で無い人の方が多いんですよね。少数派だからこそ、なかなか近くに自分と同じ立場の人がいる訳でもありませんし、魔女でない人に魔女であることの大変さと言うものを知ってもらうのも一筋縄ではいかないでしょうし、やっぱり「他人と違う」人生を生きることは、大変だと改めて感じさせられました。

1巻と言うことでどうやらこれからも続いていく様ですが、これからどんな魔女が登場するのか楽しみです。これまでは若めの魔女が登場したので、個人的にもう少し年齢高めの主婦の魔女や、キャリアウーマン魔女、おばあちゃん魔女等が主人公のお話も読んでみたいと期待しちゃいます。

〈その他〉
・季節は全部の話が夏ですね。表紙も爽やか!
・絵が綺麗!可愛い!個人的に魔女コスチュームの河野さんと髪が伸びたミヨちゃん・・・いやミヨさんが可愛らしいです。
・第5話の花火大会のシーンではエリ、河野と増田、奥野とミヨとジジといった他の話に出てきた人物もこっそり登場しています。よくよく考えると、みんな同じ街に住んでいるんですよね。
・街一番の魔女である大魔女様は、若い女性の様ですが、50年当摩市を見続けているそうなので50歳以上だと推測されます。大らかな印象とちょっと天然ボケな印象を受けます。その内、大魔女様の話も読めると良いです。
・ミヨさんや大魔女様はあまり歳を取っていませんが、普通に年齢の高い魔女もいる様ですし、歳を取るタイプと取らないタイプの魔女がいるのかもしれませんね。
・カバー下には河野さんのプロフィールメモと作者の伊咲ウタさんのあとがきがあります。魔女(魔法)の歴史や、現代に生きる魔女のことなど色々書かれていて読んでいて興味深かったです。
伊咲さんの公式ホームページによると初版本のあとがきは間違ったものが印刷されてしまったらしく、修正版のあとがきが掲載されていました。
http://teax.xxxxxxxx.jp/memo.html
「2014.06.27現代魔女図鑑1巻発売しました」という記事の所に修正版あとがきがあります。
・ニコニコ静画にて現代魔女図鑑の第1話がまるごと立ち読みできます。マリとエリの話です。
http://seiga.nicovideo.jp/watch/bk238259
関連記事
スポンサーサイト

Comment

Add your comment