「魔女と猫の話」 四宮 しの 

「魔女と猫の話」 四宮 しの の感想です。

魔女に関する漫画をよく読んでいますが、Amazonでたまたま検索に引っかかって知った漫画です。
表紙がまるで小説か児童文学みたいですね。

魔女と猫の話 (ねこぱんちコミックス)魔女と猫の話 (ねこぱんちコミックス)
(2013/03/11)
四宮 しの

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〈最初に一言〉
「私ってどんな魔女になりたいんだろう・・・?」魔女の卵である少女と猫達の夢と友情物語。


〈あらすじ〉
13歳になった魔女見習いの少女達は一生のパートナーとなる使い魔の“猫”をそれぞれ呼び出す。すず、蛍、ニナ、マリーの仲良し4人組もそれぞれ猫を呼び出すが、グータラだったり厳しかったり気に入らなかったり・・・。魔法学校を舞台に繰り広げられる、小さな魔女と猫の物語。

〈登場人物〉
・すず
魔法学校に通う魔女見習い。凄腕の魔女である祖母チセとその守護霊である黒猫のセイに憧れるが、自分の猫(白羽)は食い意地の張ったグータラ猫でがっかりしている。白羽とはよく喧嘩する仲。お菓子作りが得意。風の魔女。

・白羽(しろはね)
すずの守護霊である猫。食い意地の張った猫ですずが作ったお菓子を勝手に食べてしまうこともある。グータラしている様で、すずのことを一番に考えている。眼鏡をかけた青年の姿にも変身可能。

・蛍(けい)
魔法学校に通う魔女見習い。すずの幼馴染であり、黒髪ショートの眼鏡っ子。実家は医者で、自身の夢も医者。13歳の誕生日の前に事故で小さな猫・マルセルを呼び出してしまうが後に正式なパートナーとなる。水の魔女。

・マルセル(Marcel)
蛍の守護霊である猫。毛むくじゃらで体の小さな猫。まるで毛玉。すずと蛍の起こした事故により呼び出されてしまったが、後で正式に蛍の使い魔となる。見た目も言動もまだ子供だが、蛍のために一生懸命。巻き毛の少年の姿にも変身可能。

・ニナ(Nina)
魔法学校に通う魔女見習い。優しい性格だがしっかり言いたいことを言えない面もある。火の魔女。両親も魔女であり、父親と炎の精霊は親友同士だったらしい。守護霊は気の強いジンジャーで、彼の教育的指導にたじろぐこともあるが良いコンビ。読書好きで色々な本を読んでいるためか言語分野に長けている。

・ジンジャー
通称ジン。ニナの守護霊である猫。気が強く、ニナにも厳しく指導することもあるが愛情あってのもの。金髪の少年の姿にも変身可能。

・マリー(Mary)
魔法学校に通う魔女見習い。先祖代々から続く大地の魔女であり、その証として銀髪と褐色の肌といった出で立ちである。おっとりとした性格の美少女。植物の世話をするのが日課で、花の香りにも敏感。自分のやりたいことが見つからず悩む。守護霊はスノウ。

・スノウ
マリーの守護霊である猫。オッドアイを持つ白猫であり、声を聴いてもわかる位のおじいさん猫。経験豊富でマリーにも様々な助言をしてくれる。落ち着いた性格で、妙齢の紳士の姿にも変身可能。

〈感想〉

・小さな魔女達が主人公の物語

魔女というキーワードでネット検索したら出てきた本。13歳になった魔女は使い魔(守護霊)である猫を呼び出す・・・という、魔女の宅急便のキキを思い出させてくれる様な設定です。魔女の宅急便の世界では13歳になったら見知らぬ街で魔女の修行をするということでしたよね。

前から疑問なのは「なぜ13歳なのか」。日本の元服(成年の儀礼)は13歳、ユダヤ教徒の成年儀礼であるバル・ミツワーは13歳。これらとも何か関係があるのか否か・・・ただしこれらは男子対象なので、どうにもこうにもこれが影響しているとも言えない。13はキリスト教では忌み数とされていますが、逆にユダヤ教では聖なる数字とされ(そのためバル・ミツワーは13歳なのだとか)色々と意味もあるみたいです。魔女と13と言う数字に何か関連性があると面白いのですが。

・・・少し話が逸れました。「魔女と猫の話」の感想に戻ります。

10代の魔女の卵が通う魔法学校を舞台に、仲良し4人組すず、蛍、ニナ、マリー達を中心とした小さな魔女とその守護霊である猫達の物語が展開されます。
オムニバス形式でこれらの4人のお話に加えてすずの祖母であるチセが魔法学校に通っていた時代の話や、すず達の先生が学生時代だった時の話、それからちょっと大人になった(高校生くらいでしょうか?)すず達の話が掲載されています。
なんせ魔女の卵が通う学校なので登場人物は女性ばかりですが、大人になったすず達の話では人間の男の子も登場し、少し恋愛要素もあります。

世界観としては、やはり魔女の宅急便に近い印象。人間も、魔女も魔法使いも共存している様ですし、魔女が通う学校があるということは魔女の人口もそれなりにはあるのかもしれません。


・魔女の力。それをどう生かすかもそれぞれの魔女次第?

ただ一言に魔女と言っても、将来「魔女」という名の職業に就く訳でも無く、それは人それぞれ。

すずのおばあさんであるチセは薬屋、先生の様に教師になる人もいますし、ジュエリーデザイナーとして活躍されている方もいます。
魔法の力を持つ魔女であり、その力をどの方面で生かすのかはその人次第なのです。

13歳になったばかりのすず達4人はぼんやりと自分の夢があったり、無かったり。まだ「どうしようかな」と考えている時代です。
魔女なのだから、「魔女」という職業で将来決まっているのかと私自身は思っていたのですが、そうでもない。現代でも学校で(日本なら主に大学とか専門学校とかで)○○学部○○学科といった風に、それぞれの分野の知識を学びますが皆がその分野の職業には就いている訳でも無いですし。この世界での魔女も、魔女としての知識や魔法は学べるけれどそれをどうやって使うのか、将来どの道に進むのかは一人の人間として考えねばいけないのだと読んでいて感じました。


・「自分はどんな魔女になりたいんだろう?」悩むこともあるけれど、猫と仲良しの友達がいてくれる。

すず達も「自分がどんな魔女になりたいのか」「自分は何がしたいのか」「自分にできることは何か」と悩みます。偉大な魔女である祖母とそのパートナーの黒猫セイに憧れるだけのすず、これといってやりたいことが無いマリー・・・。

小さな魔女の卵達は普段の生活の中でたくさん考えることがあって、悩みもあるのです。けれども、決して1人では無い。
友達がいて、そしてそれぞれのパートナーである守護霊の猫がいる。

魔女の卵達が決して完璧じゃないのと同じく、猫達だって皆優秀と言う訳ではありません。
グータラな子もいれば、気弱な子もいて、気が強過ぎる位の子もいて・・・本当にバラエティ豊かです。

ただ一つ、漫画内の猫達に共通していることは本当に魔女思いだということ。
チセおばあさんが歳を取っても守護霊のセイと一緒にいる様に、魔女と猫達は生涯を共にする相棒なのです。時には将来のことについて一緒に考えてもらったり、やりたいことを手伝ったり後押ししたり、アドバイスしたり・・・猫達は良き相棒であり、相談相手であり、魔女にとっては切っても切れない大事な存在。

相談相手がいるっていいなと読みながら思ってしまいました。
よく家族に悩みを相談するとかってありますが、必ずしも家族が良き相談相手になるのか?と疑問に思うことがあります。家族だといっても自分の話をきちんと聞いて、返答してくれるかといったらそうでないときもありますし、家族だからこそ言われたことにむっときて、それを聞き入れることができないということが実際自分でもあるんです。
この漫画の中の猫達は魔女の家族でも、恋人でもない、一生涯のパートナー。

パートナーの猫がいて、仲良しの友達がいる。そういうの、いいなあ。

猫も友達も、一過性のものでは無くて、学校を卒業した後の人生でも大切な存在となっていくのだろうと、それぞれの魔女達の話を読んで感じました。一生をかけて、深い、深い付き合いになっていく・・・そういう間柄に憧れます。
すず達の先生が、大人になってそれぞれの道に進んでも、かつてのクラスメートと交流しているのを見て、しみじみとそう考えました。そして、願わくばすず達仲良し4人組もそういう風になっていってほしいなあと思うのです。


・「魔女と猫と夢と友情と成長の話」

タイトルに「魔女と猫の話」とある様に、魔女が登場して守護霊である猫もたくさん登場して・・・という漫画なのですが、「魔女」や「猫」の他に、「夢」「友情」「成長」といったテーマが存在し、読後は非常にすっきりとした爽快感があります。レーベルが「ねこぱんちコミックス」ということでそれはもう可愛らしい猫がたくさん登場しますが、それだけではありません。素直で素敵な物語です。

〈その他感想〉
・個性豊かな魔女の少女達が登場しますが、猫達も見た目、性格共に十人十色。ちなみに、猫達は皆オスの様でそれぞれの人間バージョンの姿も良いです。普段の姿とのギャップに驚かされたのは白羽とスノウかな。白羽は見た目真面目そう、スノウは思ったよりおじいちゃんでなくて紳士。ちびっこ王子っぽいマルセルも良いし、にかっと笑う少年っぽいジンジャーも良いなあ。(みんなちがって、みんないい。)

・魔女達が挨拶した精霊様。人魚みたいな水の精霊様がすごく美人です。ふくろうな風の精霊様はハリポタのヘドウィグに似てますね。精霊の力を借りて魔法を使うっていう設定は「魔法使いの嫁」と共通していてなるほどなと思ってしまいました。
・この漫画のレーベル「ねこぱんちコミックス」。書店さんでの取り扱いが少ないですので、実店舗で探すとなると何件も回ることになるかもしれません。(ねこぱんちコミックスでも有名どころの猫絵十兵衛あたりは結構色々なお店に置かれていますが・・・)
Amazonで購入するのが便利そうです。
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