「姫と呼ばないで」2巻 地下 (完結) 

「姫と呼ばないで」2巻 地下 (完結) が本日発売でさっき買って読み終えたばかりなのですが・・・

!?

と思ってしまう位の衝撃を受け、その衝撃波が残ったままこの記事を書いております・・・。なのでところどころ変かもしれませんがお許しくださいな。

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http://www.amazon.co.jp/%E5%A7%AB%E3%81%A8%E5%91%BC%E3%81%B0%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%A7-2-MF%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%91%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%BA-%E5%9C%B0%E4%B8%8B/dp/4040675789/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1440238389&sr=1-2

※以前ブログで書いた1巻の感想記事
http://akamegane365museum.blog.fc2.com/blog-entry-525.html

まず・・・

ん!?2巻(完結)だと!?

思ったより完結が早かった。個人的には3巻~5巻位で終わるのかなと思っていて、1~2巻・・・美也子(主人公)と新居屋がぶつかり合うもお互い似てるなとか気付き始めて友情芽生えるもしくは本当の敵(野乃花とか他のリア充女子とか)に気付いて共闘する、3巻~美也子と新居屋VS野乃花orリア充女子・・・そして最後は卒業式を迎え、美也子は新居屋含めサークル内の仲間と一緒に卒業・・・とこんな感じのものを妄想してしまっていたので(文面だけ見るとバトル漫画にも思える)かなり驚きました。

そして、もう1つ驚かされたのが・・・物語自体の内容。

2巻はサークルに新居屋の友達である野乃花(リア充美人)が文化祭をきっかけに絡んでくるのですが、もうひっちゃかめっちゃかにされるんですよね。サークルが。

もう、とにかく・・・
野乃花が思った以上に性格が悪くて、2巻の始まりから終わりまで「嫌な子!」と思い続けておりました。巻末のおまけ漫画でも明かされますが、
新居屋がぶりっこ風で姫系の服着ていたのも、オタサーの姫である美也子達のサークルを引っ掻き回したのも、全部野乃花のせいだったんです。何か刺激を求めているのか知らないですが、面白がってやったこと。

1巻での新居屋の振る舞いは野乃花プロデュースだったんですね・・・また、新居屋もどうして従ってそれをやっちゃうのかなあ・・・とも思ったのですが、野乃花の無神経な性格にはっきり物申すこともできていないみたいなのでひょっとしたら、野乃花>新居屋という力関係ができあがってしまっているのかなと怖くもなりました。

本当の敵は、新居屋じゃなくて野乃花だったんですよ・・・恐ろしい。

1巻は美也子VS新居屋でしたが、2巻は美也子VS野乃花で、どちらかというと新居屋は傍観者だった気がする。
野乃花の性格の悪さに、私びっくり仰天してしまって新居屋が悪い子だなんて思う隙がありませんでした。

そして、美也子の方はというと・・・1巻の雰囲気からお洒落も始めて段々と明るく変わっていくのかなとか想像していたのですが、何だか痛々しい方向に進んでいって読んでてもうハラハラしたし、「そんなことするのやめて!」と思わず叫びたくなる時もありました。
さっきは野乃花の性格の悪さを指摘しましたが、決して美也子も性格が良い、ただの大人しい子という訳でもないんですよね。
フリフリのお姫様ドレスでミスコンに出たのも、横に太った体型の新居屋がいるから自分の方が可愛く見えると思ったからどこか安心していたんですよね。結局は美人な野乃花に横に立たれ、美也子は「ブス」呼ばわりされてしまう訳ですが・・・このシーンが何ともきつかった。新居屋もまずいな、って顔していますし。

美也子と野乃花の最終バトルは打ち上げでの口論&殴り合いとなりましたが、もう今まで言っていなかった腹のうちにあった言葉が飛びまくり。若さゆえの過ちか。これが青春なのか。
野乃花はサークルのオタク男子をレベルが低いと馬鹿にし、そんな男子にならブスな美也子もちやほやされるんだとド直球な発言を、サークルメンバーの前でする・・・実際それで美也子はオタサーの姫になっていた訳で外れてはいないのかもしれませんが、まず自分よりオタク男子も、美也子も格下だと思っていることが滲み出ていて物凄い台詞です(汗)。

そしてそんな言葉を投げかけられた美也子。不思議と美也子は落ち着いている。
自分がブスなのも、新居屋とかお洒落する子を馬鹿にしていたことも全部自覚していた。多分、心の中では自分の性格の醜さに前から気付いていたのでしょうけれど、こうやって皆の前でそれを話すことで余計に実感が深まるんだろうな、と感じます。正に傷口に塩を塗るかのように。

さっき野乃花も美也子も性格が悪い、なんてことを書きましたが、2人の違いは(最終的に)美也子は自分の醜さに向き合ったことだとも思います。この醜さと言うのは顔がブスとかそういうことではなくて、他人(例えば新居屋とか)を馬鹿にして自分の心を安心させていたとか、上手くいかない時に周りのせいにしてしまったとか、そういった心の汚い部分。

2巻の途中まで、新居屋をサークルから追い出そうとしたり、再び自分が一番サークルでちやほやされてニヤニヤしたりといった美也子の行動に痛々しさを感じていましたが、自分の醜さを自覚した美也子の姿を野乃花とぶつかるシーンで見て、野乃花との違いを感じさせられた・・・そんな気持ちです。

また野乃花の無神経さで仲間を馬鹿にされたことに怒る美也子の姿には、仲間を大切にしているところも見えましたし、そういう所が彼女の良い部分でもあったのではないでしょうか。ただ、美也子はサークルのオタク男子が自分を含め新居屋や野乃花達に分け隔てなく優しくしていると言っていた辺りにちょっとだけ「ん?」と思ってしまいました・・・美也子はそりゃあ、その場面を見ていないからわからないのでしょうけれど、オタク男子3人組は野乃花が来てから彼女に夢中で新居屋はともかく美也子のことも忘れていたくらいなんですよ。新居屋なんか野乃花に繋ぐ連絡パイプみたいな感じで。その男子の手のひら返しっぷりを読者の方は見ている訳ですから、完全にオタク男子3人組を信用しきっている美也子が何だか可哀想にも感じてしまう。そんな複雑な気分です。

(このオタク男子3人組も良い所はあるんですけれど、新居屋がサークルに入ってきた時とか野乃花が近寄ってきた時とかすぐデレデレしてしまって、本当に、しょうもないなあと思うんですよ。特に野乃花にすり寄るところなんか「コロコロ夢中になる女を変えて、あんた達には男のプライドっていう物が無いのかい!?」と言いたくなった。美也子はもっとこんなしょうもない男子3人よりも良い男性に巡り合ってほしいですよ・・・)

最終回は新居屋が就活していたりするので大学3年~4年辺りの時期でしょうか。よく見ると新居屋、姫系のファッションを脱ぎ捨てています。新居屋も、野乃花ももう美也子達オタクサークルをおもちゃにして楽しむことには飽きたみたいですから、新居屋がぶりっこキャラでいる必要もなくなったのでしょう。新居屋自身も、美也子達の世界を壊してしまったことに罪を感じたようですから、彼女から自然にやめていった可能性も、あるかな。

野乃花は相変わらずの意地悪な性格みたいで変わらないな、という印象。こういう人って面倒くさいというか、あちこちで人間関係を破壊していきそう。何はともあれ迷惑な人だな。
個人的にイラッとしたのは「早く就活終わっちゃって遊ぶ人いなくてつまらない~」とか言っていたことなんですが・・・性格悪いけれどこうやって人生順調に進んじゃっている人いるよなあ、とか思ってしまいイヤーな気分になってしまった。まあこれは自分が就活に苦戦したことも関係しているんですが。何か、野乃花が幸せになることが許せないんだよなあ。美也子とか、新居屋にはそうなってほしいけれど。

美也子達特撮サークルのメンバーは今までと同じで、美也子も相変わらずお姫様扱いで幸せそう。ただ心配に感じたのが、「ずっとこのままでいようね」という美也子の台詞。

いや・・・美也子。「ずっと」は無理だよ。美也子もオタク男子達も楽しそうですが、そういう関係も崩れやすいっていうことが新居屋や野乃花との一件でわかりましたし、本当に、危ういと思う。

野乃花とのぶつかり合いの末、美也子はサークルと言う自分の居場所を確かに守りました。守った・・・ということではこの終わり方はハッピーエンドなのかもしれない。誰かに笑われようと、自分達の場所を守って今日も楽しく過ごしている。それでいい。

けれども、一方ではモヤモヤする気持ちもあるのです。狭い、箱庭みたいな限られた空間に閉じこもって、かりそめの幸せを感じているに過ぎないのではない。そしてオタサーの姫扱いをされることにまだ美也子は喜びを感じて、執着している。

美也子が「オタサーの姫扱いをされなくったって良いんだ。」とちやほやされたい欲から離れられていたら、「あ、美也子も変わったな」と思えそうですが、「ずっとこのままでいたい」と希望しちゃっているのですから、心の根っこの部分ではまだ姫でいたい気持ちが残っているんだなと認識してしまったのです。
ただ、そういう考えに至るには姫扱いをされなくても美也子が1人の人間として、馬鹿にされず、受け入れ、そしてなおかつ美也子自身が居場所と思える様なところが必要なんじゃないかな?とも感じます。
おそらく、美也子はサークル以外居場所が無いみたいですから、「姫じゃなくてもいい」という考えには至らないのかもしれませんね。難しいなあ。
それこそ、オタク男子3人組以外の友達を作ってほしいのですが、美也子はサークル内の人間関係で満足しちゃっている雰囲気ですし・・・ああ、モヤモヤする。

別にサークルの仲間と仲良くしていたって良いけれど、他にも居場所をつくったり、サークル以外の他人と関わったり、サークルと言う空間からちょっと距離を置いたりした方が良いんじゃないか?美也子よ。・・・と思ってしまう。

美也子がこれからどういう人生を歩むのか、わかりませんが「ずっと姫でいる」ことは難しいでしょう。だって大学生でいる期間って物凄く短くて一時のことですし、大学卒業した後も友達同士でいられるか、姫扱いされるかわからない。
最後の美也子の台詞「ずっと私の王子様でいてね」に少々モヤモヤしつつ、うん、何が正しかったのかこれで良いのかと色々考えさせられました。

長々と、気の向くままにたくさん感想を書いてしまいました。他の人はこの結末を、どう考えるのか、どう感じるのか、とても気になります。多分、その内読書メーターで他の人の感想を探すだろうと思う。私個人としては、ハッピーエンドでもあり、メリーバッドエンドにも捉えられる、そんな気がします。
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