「宇宙を駆けるよだか」3巻(全3巻) 川端 志季 

「宇宙を駆けるよだか」3巻(全3巻) 川端 志季

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以前書いた1巻の感想記事。↓
http://akamegane365museum.blog.fc2.com/blog-entry-526.html

最終巻になります。
心と体が入れ替わってしまった美少女・あゆみと不美人・然子の物語もいよいよ、クライマックス。

2巻は火賀としろちゃんが入れ替わった?という疑問を抱きながら終了しましたが・・・やはり2人は入れ替わってしまっていました。

ただ、それも思惑があってのこと。あゆみをどうにかして救おうとしたしろちゃんが考えた作戦だったんですね。

1巻、2巻では、正直しろちゃんの本当の気持ちと言うのがわかりませんでした。あゆみを思っているのか、結局あゆみの外見が好きだっただけなのか・・・どちらなのか全くつかめなくてしろちゃんはなかなか怖いキャラでした。何するか、わからないっていう。

だから、3巻でしろちゃんの気持ちがわかって安心してしまいました。ああ、やっぱりあゆみのことを思っていたんだなと。火賀のことも、信頼しているようで・・・あゆみが然子と、火賀がしろちゃんと、それぞれが入れ替わって姿が変わってしまってもお互いに思いあっているところが良かったです。

一方で海根然子の方はと言うと・・・然子の母親が入れ替わり状態を元に戻すストーリーに関わってきたのが意外でした。
あゆみ、火賀、しろちゃんの3人で然子を説得するものだと思っていたから・・・然子があんたら美形(あゆみ達)にブスの気持ちなんか理解できないって言っていましたが、確かにこの3人が何か言っても綺麗事にしか、感じられないかもしれない。

然子は確かに美人ではないし、その醜さゆえに人からブスって馬鹿にされることも多かっただろうと思う。
自分はブスだっていう劣等感から、人のことも信用できなくなって、あゆみの優しさを受け取れなくなっていたのも、同乗してしまう。

漫画を最初から読み直してみると、美人な見た目以外に、あゆみにあって然子になかったもの、結構あるんですよね。

友達。

自信。

素直な心。

自分を受け入れてくれる家族。

自分を理解してくれる友達とか、家族とか、そういう存在が然子には全く無かった、ということに改めて読み返して気付きました。

家族に関しては、あゆみは両親と仲良しなのに対して、然子の家族は父が不在で母親は然子のことをまっすぐ見ようともせず冷たい。

友達もおらず、家族とは不仲で、きっと学校にも家にも然子の居場所がなかったのでは?

結局その問題が解決しなければ、いくら見た目が美人になっても心が空虚なままで、然子自身が変わることにはならなかったのだろうと、思います。

そう思うと、やはり然子の母親が絡んでくる流れは必要だったのでしょう。第1話の屋上でのあゆみが強く叫ぶシーンを彷彿とさせる然子の叫びのシーン、あれにはブスだから、と一言では片づけられない様な然子の心の苦しみが詰まっていた気がします。
見た目も性格も真逆な2人の入れ替わりで、見た目が変わってしまったらどうなる?といった風な物語でしたが、見た目が変わってもあゆみはあゆみ、然子は然子。見た目がブスな然子になったあゆみは持ち前の明るく素直な性格で切り抜け、周囲の理解を得て行ったし、一方のあゆみになった然子は見た目が綺麗でもどす黒い感情が表面に出てきてしまっていた。単なる美醜の問題ではなく、心の問題でもあり、その原因になっていたものは環境とかで、思ったよりもっともっと、闇は根深かった。そんな風に感じました。

最後は、火賀としろちゃん、そして然子の母の協力も得てあゆみも然子も元の自分の体に戻り、然子の考え方にも前向きな変化があってハッピーエンド。
さらけ出された心の叫びを受け止めてくれたあゆみや火賀やしろちゃんといった友達、そして家族を得ることができた然子はきっと、これからもっと変われるはず。そういう希望を感じられる最終巻だったと思います。
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