「魔女狩り」 森島 恒雄 

「魔女狩り」 森島 恒雄

魔女漫画ではありませんが、魔女関連本ということで読書。

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http://www.amazon.co.jp/dp/4004130204/ref=olp_product_details?_encoding=UTF8&me=

Amazonで購入した本ですが、その発売年を見て驚きました。何と、1970年。2016年の現在から46年前。今でこそ普通のコーティングカバーの文庫本ですが、昔は岩波独特のパラフィン紙カバーが付いていたみたいですね。(あの薄いトレペみたいな紙です。)・・・歴史を感じます。

異端審問から始まり、どういう風に魔女狩りが広まって行ったのか、どの様に魔女は仕立て上げられたのかが書かれていたのですが、

怖かった。

魔女だって疑いを掛けられ自白しないと辛い拷問が待っているし、自白すれば処刑が待っている。どちらにせよ、死ぬじゃない。
しかも、この自白。やってもいないことを自白せねばならない。呪いで誰かを病気にしたとか、魔女の集会に参加したとか、悪魔と交わったとか。当時の尋問の様子が書き起こされていましたが、酷い。
それから、告発者側にも圧力が掛けられていた場合もあったことに驚き。その人を魔女だと認め嘘でも告発しないと拷問されるという。あの人を陥れてやろう、という気持ちではない。そして魔女と疑いをかけられたものもまるで異端審問官に誘導されるかのごとく知り合いを魔女だと告白しないといけない部分もあって、正に、雪だるま式に魔女狩りは行われていったのだと感じた。ちなみに「魔女」と書くと女性ばかりの感じがしますが、男性の魔女も裁判にかけられていました。魔女だとされた男性が娘にあてた手紙も本の中では紹介されています。

また魔女狩りの裏では都合の悪い人々を「魔女」として始末する意味があったこと、そして教会による財産没収があった。これが衝撃。ただ単に魔女に対する無知な世間による集団ヒステリーで魔女狩りが広まって行っただけではないのだとわかりました。やはり、いつの時代も権力と金が絡むと厄介ですね。

あと、魔女狩り以前からテンプル騎士団等への異端審問が行われており、その異端審問の流れに魔女が取り込まれ魔女狩りとなったというのも今まで知らなかった事実。本に書かれていたテンプル騎士団への弾圧と最後の総長ジャック・ド・モレーの処刑辺りの話はフリーメイソンの都市伝説でも登場した話だったので、その辺りの秘密結社弾圧との繋がりもあり、読んでいて「おおっ」と思いました。

そして最後に書かれていた言葉が忘れられない。それはこれからも新しい「魔女の槌」(魔女狩りの指南書)が現れてそれによる魔女狩りが起こるかもしれない、という言葉。未だ真偽がわからないSTAP細胞の小保方さん批判、最近だと不倫騒動によるベッキー叩きとかこの辺の事件を思い出してしまいました。また、学校とか会社、集団内でのいじめ問題も身近に起こり得る魔女狩りではないでしょうか。1970年にこの「魔女狩り」は書かれていますが、この未来予想は決して時代遅れの考えではなく、今でも通じるものなのだと思います。
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