薬で不安が消えるならば 

この間、初めて市販の精神関係の生薬を飲んだ。

こういう生薬については、ネットで検索すればホームページとか体験談とかたくさん出てくる。
高ぶった神経、緊張感を緩和してくれる薬だそうです。

人前に出るたびに陥る緊張状態。もう数日前どころか数週間前から、「心臓がドキドキしてしどろもどろになったらどうする?」という感情がはみ出してくる。
そんなこと考えなければ良い、と思うし、今回も本屋で買った森田療法の本を読んだりあがらないコツを伝授する動画とやらを見たり、ストレスを感じるという偏桃体を鍛えようと運動をしたり、した。

そんな風に少しずつ準備をしていたある日、まだ今まで試していなかった方法があることに気付く。・・・薬だ。
早速、ネットで検索していくつかカタカナの名前が挙がって来る。市販薬でも心を落ち着かせる薬があることを、この時、初めて知って、そして仕事終わりにドラッグストアへ直行。思ったよりも金額はどれも高くなくて意外だった。

結果的に今回は初めて薬という味方をつけて、苦手なことに臨んだのだけれど、飲むか飲まないかその当日までにひどい葛藤があって。
今まで、薬を飲むっていうこと=心や精神状態がヤバいことを認めてしまうという意識があって、かなりの抵抗があった。結局は自分の弱さを認めているようで、いや、違う、わたしはそんなんじゃないと思っていたんです。今まで。

でも、ここ十年間くらい振り回され続けている「緊張」から少しでも解放されるのならば。頭が痛い時に飲む頭痛薬だと思えば良い。それに市販薬だから病院で処方される薬とはまた違うし生薬だし、と無理やり自分を納得させ。最後には、「これは人体実験で、今まで頑なに拒み続けていた薬でどういう効果が出るか観察するだけ」とこじつけ、朝食後に飲んで仕事に向かいました。

薬を飲んだからか、この日は落ち着いてできた。緊張は、全く無くなった訳ではなかったけれど、激しく心臓が動いてしかたないことも、体中の血が煮える感覚も、脳内で言葉がつかめそうでつかめないことも、声がプルプル震えることも、少なくなっていた。
実験、成功である。

いつもと全く緊張の度合いが違う。普段は緊張による筋肉の強張りで筋肉痛になりますから。太ももとか、マラソンしたみたいに痛いの。
あがり症、緊張・・・それからちょっとだけ解放された気分になれた。心はちょっと不安だけれど、体は天敵に睨まれた生き物のような臨戦態勢じゃない。他者の体に憑依したかのようで、不思議な感覚でもあった。

いつも緊張イベントがあると直前にトイレに入る。いつも何だかお腹が痛くて、手足も震えて、精神統一の意味も込めてすっきりしにいくため。今回は落ち着いた状態でこの儀式に臨むことができた。トイレの個室で、心臓もドキドキしないことを実感。普段だったら体全体に鼓動が届くのに。人前でも堂々としているあの人はこういう風に心が安定しているのかな・・・と考え、改めて自分が強く緊張を感じやすい性格だという現実を実感して悔しくなった。

調べてみたら、今回飲んだ薬は市販薬の生薬故、精神科の処方箋に比べたらずっと効果が低いのだとか。中にはプラシーボ効果とまで書かれた感想もあったけれど、仮にそうだとしても普段より気持ちが安定していて息もしやすかった。

今まで自分を鍛えないとならない、緊張を感じないようにしないとやっていけないから・・・ということばかり考えていた。けれども、薬で不安が少しでも消えるならば、時には頼ってしまっても良いんじゃないか。心自体の根本的な解決にはなっていないのかもしれないけれど、一人でどうにかしようとするより、ずっと楽だ。
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