都戸 利津 「嘘解きレトリック」 1巻 感想 

ここ最近読んだ漫画の感想を書いていなかったので休みのうちに清算したいところ。

明治大正昭和時代が舞台の漫画が好きでよく読んでいるんですが・・・そのくくりで本探しをする中で出会った本です。

嘘解きレトリック 1 (花とゆめCOMICS)嘘解きレトリック 1 (花とゆめCOMICS)
(2013/06/20)
都戸利津

商品詳細を見る


著者の都戸利津さんの漫画「燈港メリーローズ」は本誌の方でよく読んでいました。燈港メリーローズも時代ものでしたが、「嘘解きレトリック」の舞台は昭和初期。昭和初期が舞台の漫画はあまり読んだことが無いので嬉しいなあ。

主人公は人の嘘がわかる超能力を持った浦部鹿乃子。
その能力のせいで気味悪がられ、生まれ育った村から追い出されてしまいます。
そして行きついた先が九十九夜町。
そこで貧乏探偵・祝左右馬と出会い、能力を見込まれて彼の元で鹿乃子は探偵助手として働くことになります。

長南年恵や御船千鶴子といったように超能力を持った方は明治時代いらっしゃいました。
超能力があっていいな~と思う節もありますが、決して良いことばかり運んでくるわけではありません。
実際、前述の長南年恵は超能力を疑われ逮捕されましたし。
主人公の鹿乃子も超能力があることで嫌われ孤独でした。

しかし、嘘を見抜く超能力は使いようによっては非常に便利で役に立つものです。
鹿乃子の能力をいい方向に引き延ばそうとしたのが探偵の祝でした。
今までコンプレックスでもあった超能力を生かしていこうとします。

探偵の祝先生は飄々とした感じで、貧乏でお店もつけだらけでちょっとだめな所もあるんですが・・・懐が深いんですよねえ。

「ひとりでぐるぐる悩まないでよ 君はもうひとりじゃないんだから」
「一緒にいるから悩むんだからさ 一緒に抱えるよ」
言っていることが嘘だとわかることは良いことばかりではなく、しんどいこともある・・・嘘だと見抜けるのは鹿乃子だけですから一人で悩んでいました。以前は鹿乃子は孤独で、一人で悩まざるを得ませんでしたが・・・今は祝先生が一緒にいます。
祝先生が鹿乃子を受け入れるうんぬんの話をした時上にある言葉を話していたのですが、この場面がお気に入りです。

祝先生は嘘は見抜けませんが、嘘はよくつきます。それはふざけてのことだったり犯人を追いつめる為だったり親友の気持ちを察してだったり。
親友の端崎さんが傷つかないためについた嘘は相手を思いやってのものだったのでしょう。

作者の都戸さんは眼鏡、おかっぱ、昭和初期などなど好きなものを思いっきり作品の中に詰め込んで描いたとのこと。レトロモダンな雰囲気、いいですねえ。
昭和が舞台の探偵の話、よく妄想するのでかなりこのお話ツボに入りました。
建物とか服が和洋折衷なのも良いです。祝先生は洋装、鹿乃子は着物でこの二人も和洋折衷コンビ?

まったく関係ない話ですが、ALI PROJECTの「昭和恋々幻燈館」という歌に“夜道には黒マント翻し秘密探偵が通る怖くも愉しや光も暗闇も溢れていた”って歌詞がありまして・・・
個人的に探偵のイメージが黒マントもしくは金田一耕助スタイルもしくはシャーロックホームズの格好というイメージだったんですけれど、「嘘解きレトリック」の祝先生を見て、普通の洋装・白シャツの探偵もいいなあと思いました。
関連記事
スポンサーサイト

Comment

Add your comment